ヒューマン・セントリック・ライティング(Human Centric Lighting)について記事を書きました。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20141209/393263/
まとめるのに、ちょっと苦労しました。
これまでにも人間工学的な観点の製品については
パナソニックが展示会などでサーカディアンリズムについて積極的に商品説明をしていましたね。
そのため、業界では多くの人が同分野について認識を高めてきたと思います。
しかし、一般市場ではどうでしょうか?
青色LED照明のノーベル賞受賞の話をニュースで聞くたびに、
まだまだ、一般の人にとってはLED照明というものは光るだけのもの、クリスマス照明というものしかピンと来ていないのではないかと感じました。
そういった中で、一般消費者に向けては、これまでにも食事の時の明かりや読書の明かりなど
それぞれに適した光の提案などをするCMがありましたね。
最近ではCMを見ているとパナソニックがスイッチ一つで活動空間に適した光に変更できるLED電球を販売したようで、
価格も3000円ぐらいだったので、手も出しやすいのではと思います。
しかし、一般的な家庭で電球型のランプはトイレや廊下で使うことが多くないでしょうか?
それとも最近はリビングで電球型を使用することが流行っているのでしょうか?
なんだか、戦略が分からなくなってきました。
といいつつも、ヒューマン・セントリック・ライティングの概念がもっともっと浸透するれば、
LED照明はさらに付加価値を増すことでしょう。
しかし、それには効果の検証やデータの裏付けなど製品へ反映させるには相当の努力と労力が必要でしょう。
さまざまな段階を経て、LED照明は光るだけのものではなく、人の生活空間を豊にできる製品になっていくのでしょうね。
ところで、私は以前、とある施設のLED照明導入に立ち会うことになりました。
なんと、設計会社がありえない設計の照明をし、その際、大手照明会社はありえない照明設計と分かりながら、
「お客がいうのだからしょうがない」のひとことで、ありえないほどの明るさの照明を納品しました。
いわゆる業務用の製品を、天井高の低い幼稚園に入れたのです。
納品後にこの事態を知らされ、指摘をしたのですが、もう製品の変更はできないの一点張りでした。
そして、遊戯室にはなんと、超高演色の照明が導入され、高さ2mの位置から床を照らしていました。
予算がないと言いながら超高価格で知られる超高演色製品で一般の照明よりも2倍の価格のものを1m置きに設置し、2m下の床を照らす必要はあったのでしょうか?
指摘すればキリがないほどの照明設計でした。
理由は、あとから判明しました。
LED照明になってから、中間業者は利益を得るため、必要のない照明を設置し利益を数量で補ってきたようです。
それは人のことを思う照明ではなく、ただの「エゴライティング」でした。
本来ならばエコなはずの製品がエゴライティングになった瞬間を感じました。
これも乱立した企業が少しでも利益を得るための行為でした。
ぜひ、LED照明はエゴな照明ではなく、本来のエコな照明で、人々の生活を豊かにするものであってほしいと思います。
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