CES2023 Report

2023年のExecutivesummary

「CES 2023」が1月5~8日(米国時間)の日程で、リアルとオンラインで開催された。

ひと時よりコロナが収束し、4日間で世界から約160カ国約10万人以上が訪れ、約3,200社の出展企業・団体が参加した。LVCCの会場はSOUTH HALLは昨年から使用されなくなり、代わって新たにWEST HALLが活用された。CES2022では全出展者数が2,100社であったため、リアル会場の復活が見えてきた。

 

出展社数については、3,000社を超えるまで復活したが、米国企業は減少し、

中国企業の大手は中国のコロナ政策の影響と米中貿易摩擦により出展は戻ってこない。

その一方で、中国の1コマブースは復活の兆しがあり、2022年の3倍程度にまで復活している。

 

新設されたLVCCのWEST HALLはVEHICLE一色となり、車関係ビジネス拡大は避けられない産業となっている。自動運転関連は2020年にもっとも多くの出展があったが、2021年のオンライン展示会をきっかけに

トヨタ自動車や日産、ホンダなどの日本勢のクルマメーカーは出展を控え、2023年も復活していない。

一方で欧州企業は継続して出展を続けており、今年は屋外でEV自動車のラリーが行われた。

 

NORTH HALLには、過去Sandsで出展していたHealth&Wellness系の展示が移動し、拡大している。

Health&Wellness の展示については、2019年から継続的に展示エリアが拡大しており、

2020年にCES関係者がデジタルヘルスについて「今後10年間でますます重要な技術になるからだ」と述べていたが、増加傾向について、COVID19をきっかけにさらなる拡大をすることとなり、この4年間で製品のすそ野も広くなっている。

 

2020年に話題になっていたSEXtechやFemtechはテーマブースがなくなり、Health&Wellness の一部となっている。一方で、Metavarse、Web3など新しい分野の展示も拡大している。

 

そして、今年は初めてテーマがかかげられ、Human Security for All (HS4A)とされた。

 

 

2023年のトレンドキーワード

「Health Technology」「Transportation / Mobility」「Sustainability」「Enterprise Tech Innovation」

「Metaverse / Web 3.0」「Gaming and Services」

 

 



CES2022 Report

2022年のExecutivesummary

「CES 2022」が1月5~7日(米国時間)の日程で、2021年のALLDIGITAL開催から、現地とオンラインのハイブリッド型として開催された。

 

ただ、COVID-19の影響は残っており、インテルやP&Gは現地参加を見送りオンラインのみに、Amazon、Google、Microsoftなど大手企業が出展自体をキャンセルしている。

 

そのような中でトレンドキーワードとして挙げられている「Digital Health」の市場は拡大し、さらに、その中のMental Wellnessやtherapyの市場についても注目度が高くなっていた。また、HEALTH&WELLNESSのカテゴリー内にはFood Technologyが含まれるなどSDGsという文脈ではなく健康に分類されている。

 

また、リアル展示として韓国勢は来場者の目を引く展示をしており、COVID19前も後も韓国勢の勢いは衰えないようだ。

LG電子は、「LG OMNIPOD」として、新しい車のコンセプトを発表した。

 

2021年まではデジタルやハード的な要素が強かったが、2022年にはトレンドキーワードして「Sustainable Technology」が入ってくるなど、SDGsやResilienceなどに関するトピックスが増えている。

 

 

2022年のトレンドキーワード

「Digital Health」「Space Tech」「Sustainable Technology」「Transportation」

 

 

2022年のその他のキーワード

「Soft Electronics」



CES2021 Report

2021年のExecutivesummary

「CES 2021」が1月11~14日(米国時間)の日程で、初めてのALL DIGITALで開催された。

コロナが猛威を振るう中、残念なことに2020年7月に展示会のリアル開催中止の発表が発表された。

 

2020年は、7日~11日の4日間で世界から約160カ国約18万人が訪れ、約4400社の出展企業・団体が参加した。

CES2021ではコロナの影響もあり、全出展者数が4400社から1959社程度に大きく減ったというより、2000社近く出展者を確保できたという方がより良い表現かもしれない。多く減った数は米国から約1000社、中国からが約900社と大半を占めた。

 

最近では LVCC(ラスベガス・コンベンションセンター)ノースホールは車関連企業が所狭しと出展しており、2020年も自動運転関連の製品が多く展示された。そのような中でオンライン展示会になったことによりトヨタ自動車や日産、ホンダなどの日本勢のクルマメーカーは出展を控えた。

2020年はデジタルヘルス展示エリアが拡大し、Health&Wellnessカテゴリでは、2019年に比べ出展数が25%近く増加していた。この増加傾向について、CES関係者はデジタルヘルスについて「今後10年間でますます重要な技術になるからだ」と述べた。2021年はDigital Healthカテゴリで検索した結果、432社がヒットし、これは昨年の135社の3.2倍にあたる数である。また、製品については、ここ数年ハードというより、ハードを利用したソリューション展示となっている。

 

2021年のポイント

①これまでCESは新製品を見る場というイメージが強かった。

    →  ここ数年ソリューションがメインに。コロナ禍でそれがより鮮明に。

②これからのCESは新規技術を提供する人と、ソリューションを考える人の集まる場に。

    →基調講演は、2020年はデルタ、2021年はウォルマートなどソリューション側に。

③人種問題、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のメッセージも発せられた。

    →よりエレクトロニクス製品からの遠いトピックスに。

④クルマ、スマートホーム、デベロッパーも取り込みながら出展カテゴリーが拡大基調に。

    → Autoshow (クルマ)の取り込み、IFA(キッチン)、MD&M(ヘルスケア)、NAB(映像)、

      NRF(リテール)、 SXSW(D&I)などの展示会との重複が目立つ。

    → 2020年からソリューション系が基調講演に増えだしたことからも今後もその傾向。

⑤2021年はスマートシティ展示が拡大する予定(2019年時点で決まっていた)であった。

    → コロナの影響により見せ方が難しく。

 

2021年の初登場企業

 ウォルマートが初登場で基調講演を行う。

 

・5G、AI、ロボット工学がいかにウォルマートのビジネスを変革してきたかについて語った。

・利用事例として、物流センター、RPA、5G、AI、データ収集(DX)、自動配送を紹介

・医薬品の取り扱い、診療所の開設などヘルスエリアもカバーし、予防的アプローチを行う予定(予防クリニックを今後2年に以内に作っていく計画、オムニチャネルヘルスケアオファー(デジタルアンドフィジカル)など)

 

2021年のトレンドキーワード

「5G」「Digital Health」「Robotics & Drones」「Smart Cities」「Vehicle Tech」「Digital Transformation」

 

2021年のその他のキーワード

「Soft Electronics」



CES2020 Report

2020年のExecutivesummary

CTAの発表によると、CES 2020では、約4,400社が出展し、そのうちスタートアップは1,200社で、5G、AI、Mobile Technology、Digital Hearthなどを含む最新の変革技術が披露された。業界の再定義、雇用の創出、多くの社会的課題の解決を実現する次世代のイノベーションが公開された。

 

CTAのゲーリー・シャピロ社長兼最高経営責任者(CEO)は、以下のように述べている。

「CESで展示されるイノベーションは、業界を動かし、世界規模での経済成長を促進する原動力と情熱を具体化するものです。テクノロジー・エコシステム全体がCES 2020に集まり、発売される製品とテクノロジーは、生活にひらめきとつながりを与え、良い方向に変化させるでしょう。」 

 

CES 2020の最初の基調講演では、サムスン・コンシューマー・エレクトロニクスのH・S・キム社長兼最高経営責任者(CEO)が行い、「エクスペリエンスの時代」に的を絞った。これは、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせて生活をより便利で楽しく有意義なものにするパーソナライズ体験を生み出す人間を中心に据えたイノベーションの10年間を指している。インテリジェント・ロボット、AI、5G、エッジ・コンピューティングにおける同社の最新の進展に焦点を当てて、サムスンはこれらの技術が一体となって、より豊かで適応性の高いエクスペリエンスを消費者に提供する未来の概要を提示した。「エクスペリエンスの時代に、私たちは多様で進化するライフスタイルに対応するために必要なスペースについて再考する必要があります」

ダイムラー取締役会長でメルセデス・ベンツ統括のオラ・ケレニウス氏は、基調講演を行い、持続可能で自律的な未来に向けた同社の計画を発表した。ケレニウス氏は「CESに来場すると、皆さまは『次は何か』と自問すると思います。その問いは、私たちが130年間にわたって問い続けてきたことなのです」と語った。そこに監督のジェームズ・キャメロン氏も登壇し、メルセデス・ベンツとキャメロン監督の映画フランチャイズがコラボレーションしたメルセデス・ベンツの最新のコンセプトカーVision AVTRが発表された。この車にはドアがなく、爬虫類の鱗のように見えることを意図した多方向に動く33個の「バイオニック・フラップ」を装備する。Vision AVTRは、ドライバーの脈拍を検出し、呼吸を感知します。メルセデスは、搭乗者と自動車を融合させて「共生生物」にすることを意図してこのコンセプトカーを設計した。

 

CTAのスティーブ・コーニグとレスリー・ローボーは、「2020年注目のテックトレンド」についてプレゼンテーションを行い、1月の「米国の消費者向け技術の売上&予測」の独占プレビューを行った。5G接続、人工知能(AI)対応デバイスと並んでストリーミング・サービスの人気が急上昇していることから、米国の消費者向け技術産業の収益成長率は上昇し、2020年の小売売上高は前年比でほぼ4%増の記録的な4220億ドルとなる見込みである。

 

2020年のポイント

・LVCC CentralからIntelはプライベートにQualcommはNorthのAutomotiveゾーンへ

・QualcommはCentralからAutomotiveが集まるNorthでAutomotive用5Gチップを展示

・NVIDIAの展示はなし

・災害からのサバイバルに関して「水の確保」に関する技術の展示スペースが登場(Resilience)

・ハードウエア中心だったCESから「Into the Data Age」へ。「IoT」は「Intelligence of Things」に。

・CESでは、SDGsやESGに関連する展示が増加

・それぞれの企業が個々に解決するのではなく、企業が協力をして社会課題解決を行うためのイノベーションを考えることは重要に

・韓国スタートアップからの出展が急増

 

2020年の初出展の主な企業

NTT(IOWN)、アシックス、SOMPOひまわり生命、ブリヂストンなど

世界からは、Abbott, Brunswick, Cigna, Colgate-Palmolive, Delta Air Lines, Doosan, Humana, Keurig Dr. Pepper, Siemens Mobility GmbHなど

 

2020年のトレンドキーワード

「5G」「AI」「Streaming wars」「MR」「Cloud gaming」「Transportation」「Digital health」「Robots」

 

2020年のその他のキーワード

「Resilient Technologies」「SDGs」「Connected Intelligence」「Travel & Tourism」「Humanability」